Cassandra on SoulCalibur III Website
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but it exists as a file on their servers. A request for it shows up on DevTools panel and it's possible
to copy the text
manually. That's how I retrieved it to include it in here.
『勇士の戦うとき、剣の力よりも勇気のほうが大事だ』
		……エッダより「ファフニールの歌」
姉に代わってソウルエッジを破壊すると心に決め、カサンドラは故郷を飛び出した。しかし、邪剣を探す手掛かりがあるわけではない……。そこで彼女は、手元にある邪剣の欠片が邪気に反応するのを利用し、各地をしらみ潰しに探し回って行くことにした。
勢いに任せて旅を続けていったカサンドラだが、ギリシャの地からドナウ川を越えてやや東方の地へと差しかかったころ、それまでとは比べ物にならないほどの強い邪気に遭遇する。険しい山々と深い峡谷に囲まれたこの地に、一体何があるのだろうか……。慣れない山道に苦労しながら歩を進めていったカサンドラが目にしたのは、邪気に包まれた街だった。街中に禍々しい気配が渦巻き、住民達は正気を失っている。
「なんだっていうの……?」
彼女が手にした破片が激しく反応している。どうやら、この異様な事態にはソウルエッジが関係しているようだ……。一度は尻込みしたカサンドラだが、邪な気に魅入られた人々を放っておくことはできない。彼女はこの街を開放しようと決心し、原因を探り始めた。
(姉さんにはできたんだ……私だって!)
邪気の中心は、どうやら山腹にそびえ立つ古びた城であるようだ……。それを突き止めたところまではよかった。
だが、ここで予想外の出来事が起きる。ヘパイストスの神殿から持ち出した剣と盾にヒビが入ってしまったのだ。
(そんな……!)
カサンドラは動揺を隠せなかった。うろたえる彼女を、邪気に取り込まれた人々が執拗に追いまわす。邪剣の欠片に異常な執着を見せる彼らは、諦めるということを知らないようだった。だが、邪気に対抗する武器がなくてはどうにもならない……。やむを得ず、彼女は街を脱出することにする。
何とか街を逃げ出したカサンドラ。だが、彼女はいつになく心細さを感じていた。
確かに自分には戦士としての心得がない。武器の扱いには慣れていないのだ。それに、ちょっぴり無茶な使い方をした覚えもある。でも、聖なる鉄塊から作られた武具に傷がつくなんて……。
(私じゃ……私じゃ駄目だっていうの!? やっぱり姉さんじゃなきゃいけないの……?)
その思いは彼女が密かに感じていた不安と繋がり、彼女の決意をぐらつかせる。
……傷付いた武具を見詰めていた彼女の脳裏にふと、姉が幼い姪っ子、甥っ子達を連れている姿が浮かんだ。子供達の手を引いて、幸せそうに微笑んでいる姉さん……。
(そうだ……弱気になっちゃ駄目……)
カサンドラは勢い良く頭を振ると、強引に迷いを断ち切った。
「私がやらなきゃ、いけないんだ……!」
姉さん達の笑顔のために。顔を上げた彼女の目には、いつもの強気な輝きが戻っていた。
考えてみれば、聖なる武器といえどもこれだけ強い邪気に晒されれば壊れることも……あるのかもしれない。
(ふん、神様の力も大したことないわね)
無理に自分を納得させた彼女は、一旦ギリシャへ帰ることにした。神殿にはまだ武具が残っているはずだし、鍛冶屋である義兄ロティオンに相談してみてもいい。
……だが、故郷に戻った彼女を待っていたのは、思いもかけない報せだった。
「姉さんが、またいなくなった!?」
そう、彼女の留守中にソフィーティアは再び旅へ出てしまっていたのだ。義兄によれば、姉はソウルエッジの破壊こそが自分が成すべきことと信じ、自らの意志で旅立ったのだという。
(ヘパイストスめ……。もう、絶対に許さないんだから!)
彼女は心の中で毒づいた。とはいえ、姉がかつての気丈さを取り戻してくれたのは悪いことではない。
「彼女に力を貸してやってくれ」
新たな武具を受け取ったカサンドラは、義兄の言葉に心の底から頷く。邪剣を破壊する……。その行いは、あの邪気に侵された街を救うことにも繋がるはずだ。
姉さんの力になろう。側に立って支えてあげよう……。
その真っ直ぐな思いを抱いて、彼女は曙光を背に旅路へと赴いた。